夢見る精神障害者

アスペルガー症候群なのか、統合失調症なのか、医者によって見解が違うのですが、今は両方の疾患名を持っています。 精神疾患にまつわるお話を綴りました。

私にとって、今は書籍の出版は効果的でないらしい

こんにちは、謙児です。

今日は以前から話題にしていた、

書籍の出版ができるとしたら、

というお話です。

学生の頃から、ともかく書くことを

嗜んできた私にとって、

「書籍の出版」というのは、

究極の目標のつもりでも

ありました。

私は、毎日長文を書く割には、本一冊の

分量、ということになると、全体的な

まとめ方が未熟すぎるので、

まだ叶わぬ目標でもあるのですが、

その力量があったとして、

もしくは、サポートやナビゲートして

共著のような形で手伝ってくれる人が

いれば、全く不可能ではないのですが、

いろいろ調べていくうちに、

現状ではただの自己満足で終わって

あまり意味がないことが明らかになってきました。

確かに、「本を出す」と言うと、

「それはすごい」と言う印象を持つ人が

まだまだ多く、それが幻覚になってしまって

いるのですが、私が最も読書量が多かった

学生時代に比べると、著しく事情が

変わってしまっていて、もはやステータスでも

何でもないことが明らかになってきたのです。

不況の話は昨日も書きましたが、

それは出版業界でも同じで、

むしろ著しいと言ったほうがいいでしょう。

端的に言うと、日本人は今、本を

読まなくなったんです。

要因はいろいろあるんですが、

本を買わずとも、ネットで足りたり、

そもそも頻繁に買う余裕がないくらい、

皆のお小遣いも減っていたり、

若者の「活字離れ」が顕著であったり、

挙げればキリがないです。

そもそも、「書籍」のトレンドも

大きく変わってしまいました。

昔のような、大作長編小説が

敬遠されるようになってきたのですね。

ぱらぱらと好きなところだけ読める、

「頭を使わない読書」が好まれる

時代になっているんですね。

今でもよく書店に行っている人であっても、

これは同意してくれる人が

多いのじゃないかと思います。

今の人が書籍に求めているのは、

著者に対する共感や感動ではなく、

単なる「情報収集」の比重がかなり

高くなってる気がしてなりません。

ですから、万人が知っている、

「今が旬の流行作家は?」と問いかけても、

思いつかなかったり、人によって

バラバラだったりするでしょう。

ですけども、不思議なことに、

毎日新刊は三桁に達する、夥しい

数が流通しています。

ですので、今でも書店に行けば

いつまでも同じ本が置いてあるような

ことはないです。

これ、どういうことだと思いますか?

実は、「著者」が増えすぎたんです。

その大半は無名の人ですから、

学校教材や専門性が高いなどの

特殊な事情でもない限り、

大量部数は売れません。

ですから、少数部が毎日大量に

入れ替わる、というのが

今の実態です。

大型書店に並べられることが

あったとしても、何とたったの一週間くらいしか

置いてもらえなかったりするのですね。

これでは、いくらいい本を書いても、

話題の本も出にくくなる訳です。

私が出版をためらい始めた理由はそこです。

下手に出版を果たせたとしても、

社会に影響力もなければ、そもそも

買うどころか、立ち読みしてもらう

チャンスすら僅少な確率になってしまう、

と気付いて、一気に萎えました。

「それなら、返本ばかりになって、

出版業界は共倒れになるのでは?」

そう気付いた人は立派です。

実は、これにもからくりがあります。

今の新刊本の多くは「自費出版」なんです。

出版の名目はそうでない物も、今は

たくさんありますけども、

ともかく、もらう印税よりも、かかる

経費のほうが圧倒的に多い出版物の

ことを、あえて私はひと括りでそう呼びます。

つまり、「自分の本を出すためなら、お金をかけてもいい」

この著者の心理につけこんでいるのが、

今の出版業界です。

要するに、大事なお客様は本を買う人でなくて、

著者なのですね。

編集や印刷、流通費用を著者にまず負担させているので、

別に売れなくったって、いいんですよ。

実にバカバカしいですが、私もいろいろ

動いていて、この真実に気付きました。

ダテにブログばかり書いていた訳じゃ

ありません。

ですから、大体50万から100万程度出せば、

あなたのブログだって出版できますし、

ほんの数冊ですけど、Amazonにだって

配本して置いてもらえます。

「そんなバカな」と思うでしょうが、

これは事実ですし、ネットで調べても

すぐわかるデータなのです。

しかも、あまりにも下らな過ぎて、

2ちゃんねる」でネタにされたような本が

売れるような、笑えない話もありました。

ただ、このことは結構知られて来ているので、

今のトレンドは変容しつつもあります。

「本が売れるためなら、いくらお金をかけてもいい」

今はこれです。

本末転倒ですが、確かに著者の心理を

よく突いているな、と。

それであっても、資本主義の原理が働いて、

面白い本が特に売れるんなら、

私も食指が動いたかもしれませんが、

困ったことに、これも金次第です。

もちろん、出版社がそういうことを

しているのではなくて、

ブローカーのような人が暗躍している

訳ですけどもね。

私も、それについても調べましたが、

その仲介業者に支払う金額は、

かなり多額です。

これでも、何のための出版かわかりません。

さっき、Amazonを引き合いに出して

しまったので、名誉のために言っておくと、

そういうテクニックだけで売れたような本は、

最初は検索順位も高くていい本に「見える」

んですが、Amazonには読者レビューという

システムがありますので、しばらくすると、

そこで異常な現象が起こるので見破れます。

例えば、好評価のレビューが続いていたのに、

発言力あるヘビーレビュワーが、

突然酷評を書いてきたりします。

悪いことばかり書いてしまいましたが、

本質的に売れている本は、やっぱり良書

ですが、こういう事情があるので、

埋もれてしまって、目立ちにくくも

なっています。

本当は、評価されていい「自費出版」も

あるはずです。

ですが、私がやる気を失ってしまった

理由は、少しはわかっていただけましたでしょうか。