夢見る精神障害者

アスペルガー症候群なのか、統合失調症なのか、医者によって見解が違うのですが、今は両方の疾患名を持っています。 精神疾患にまつわるお話を綴りました。

私の入院生活6

そんな最悪の状況下の中でも、

私の見方になってくれる

ドクターもいました。

系列の大学病院から

来ていたドクターなのですが、

当初は私の症状に学問的な

興味を持ってくれたようです。

そして、副主治医のような形で

接してくれるようになったのですが、

家族も主治医では話にならない

ので、その副主治医に

相談を持ちかけていたようです。

実は、その頃は私ももう、

心はボロボロで、院内にあった

公衆電話で毎日家族に

助けを乞うていました。

ともかく、ここから逃げ出したい

一心でした。

そうして、家族の熱意も伝わった

ようで、副主治医は内緒で

薬を少しずつ減らしていくよう、

計らってくれました。

もちろん、そのことは後に

主治医にもバレて、

大目玉どころの話じゃなかった

そうなのですが、

かなり薬も減った状態で

判明したので、主治医も

退院させられない理由も

なくなったようです。

こうして、やっと私の

退院日が決まりました。

入院から10ヶ月後のことでした。

実は、その副主治医とは、

このブログの最初に書いた

「名医」なのですが、

当事者や家族が望むことと、

医学界の評価とは往々にして

違います。

正しいことをやっていても、

怒られたり悪評価がついたりも

することがあるのです。

その「名医」も、経緯はわかりませんが、

今では大学病院の籍からも

外されて、病院を転々としていたり

もします。

やはり、上層部との意見の

食い違いが多いようでした。

そう思うと、心境はとても

複雑ですが、あのドクターが

いなかったら、私は今、

どうなっていたのか。

考えたくもありません。

その後は、同じ病院内にある

デイケアに通所することに

なったのですが、

それまでの入院の苦しみに

比べると、まるで

天国のようでした。

こうして、私は徐々に

自分を取り戻して

いったのです。

私の入院生活 完

謙児へメール

【コメントはこちらから】

ブログランキング投票はこちらから